北海道の初音物件(4)


31.「初音寿司」 所在地:北海道沙流郡日高町

 苫小牧市街から襟裳岬方面に向けて走ること1時間弱。日高富川にあるお寿司屋さんがこ
れ。静かな街中の幹線道路沿いに、ひっそりとたたずむ。タウンページやネット上の飲食店サ
イトなどでの表記は「初音ずし」だが、店舗の表示は「初音寿司」である。
 やや寂れた感のある日高富川、スマホとかを利用して積極的な情報公開をしようという地元
民は少ないのか、この初音寿司の評判は見当たらない。周囲には数は多くないがいくつかの
寿司屋があって、それらは地元民の常連客によって賑わっているところもあるらしい。初音寿
司は小さく地味な店構え、果たしてどれくらいのお客が訪れるのだろうか。




32.「焼肉リン」 所在地:北海道沙流郡日高町

 日高富川は小さな街だというのに、初音物件とともに鏡音物件まで揃っている。「焼肉リン」。
なかなか立派な店構えだ。お店も広く、地元でも人気のお店のようである。「RIN」の文字も見え
るが、よく見ると人のシルエットで描かれている。はたしてどういう意図なのかは不明。




33.「苫小牧聖ルカ幼稚園・聖ルカ教会」 所在地:北海道苫小牧市

 苫小牧中心街からやや離れたところに、小さな幼稚園がある。教会付設の幼稚園らしい三
角屋根は、北海道の町の景色にもよくなじむ。少人数制できめ細かい幼児教育を行っている
ようだ。



 幼稚園のすぐ隣には苫小牧聖ルカ教会がある。全国に点在する聖ルカ教会同様、日本聖公
会を母体としている。



 敷地内にはほかにこんなものもあった。苫小牧聖ルカ幼稚園・こども広場スマイル。




34.「初音橋」 所在地:北海道夕張市

 経営破綻した自治体という、ありがたくない知名度を持つようになってしまった夕張市。メロン
で知られる小さな地方都市は、今では過疎化が進んで寂しい眺めが多くなってしまったが、か
つては炭鉱で繁栄したところである。
 まもなく完成する「シューパロダム」の近くを走る国道452号線に、「初音橋」がある。道内に4
つ確認されている初音の名を持つ橋の中の一つ。ほかの3つはいずれも音のよさから名付け
られただけのようなのだが、ここ夕張の初音橋は地元の知名に由来するものだ。今は自然の
森が広がるこの一帯、かつて初音という名の付いた土地があったのである。





 橋名板。ひらがなで書くと「はつねはし」で、濁らないようだ。これはほかの橋も同様の傾向だ
が、実際は「はつねばし」と呼ばれることがほとんどだと思う。日本の橋にかかわる伝統のよう
なものと思えばよいのだろう。





 この橋、シューパロダムの建設に伴い、新しく作り直された国道452号線上にある。開通間も
ない付け替え道路の橋ということで真新しい橋なのだが、橋名板には昭和59年11月完成とあ
る。そういえば橋名板自体も橋本体と比べてかなり古いように見えた。想像だがこの初音
橋、、ダムに水没する運命の旧国道にかかっていた同名の橋を移設した扱いにしているので
はないだろうか(実際この橋名板は旧道の初音橋で使われていたのと同一のもののようであ
る)。



 橋の下を流れる渓流は、初音沢川と言う。かつてこの地区にあった地名を残す、貴重な川で
ある。



 初音橋から少しだけ南に下った辺り。人気もなければ人造物すら見当たらない所なのに、な
ぜかカーナビには鹿島北栄町なる地名が表示されている。そう、じつはこの辺りはかつては炭
鉱で栄えた町だった。いまや何もない新国道が通るこの場所こそ、かつて「初音台」「初音沢」
と呼ばれていた土地なのである。全盛時、ここには炭鉱の事業所などがあったと思われる。鹿
島北栄町はシューパロ川に近い地区を「官行(かんこう)」、そして川から離れた地区を「初音
台」と呼んでいたようで、新国道が通るこの辺りはまさしく昔の初音台なのである。





 鹿島北栄町の南側、鹿島栄町付近。今は原野が広がるだけだが、よく見ると朽ち果てた電
柱が数本見える。信じられないことだが、ここはかつて大夕張と呼ばれた町の中心街に位置し
ていた地区。30年くらい前までは、ここに当たり前のように人の暮らす街があった。最盛の頃に
は駅や商店街、学校や銀行、映画館や飲み屋街までが揃い、2万人もの人が暮らしていたと
いう。今や全ての住民はほかの土地へと移り住み、当時の気配は残っていない。まもなく、か
つて栄えた炭鉱の町はダムの湖底に沈む。
 そういえば、昭和40年代まで大夕張にも初音物件があったようだ。鹿島千年町と呼ばれる地
区に建っていた「サトミ会館」という飲食店施設(家具センターと同居した小さな雑居タイプの飲
食店街)の中に、初音という飲み屋が存在した。
 夕張は、たくさんの人々の思い出を残している、ちょっと切ない町なのである。




35.「幌内初音町」[再調査] 所在地:北海道三笠市

 以前紹介した、三笠市幌内初音町。明るい時間帯に再訪したので、改めて画像を公開して
おく。

 初音改良住宅。かつて存在した古い住宅群を代替する目的で建設されたと思われる団地で
ある。質素なつくりではあるが手入れは悪くなく、さほど経年は感じない。三笠は人口減少に歯
止めが利かないとのことだが、ここの入居率はそれほど悪くないように見えた。正式名称は初
音改良住宅だが、どうやら一般的には初音町団地と呼ばれているようだ



 

 初音子供広場。初音改良住宅の中にある公園で、人気はないが手入れはされている。






36.「パン工房初音」 所在地:北海道三笠市 ※閉店しました

 人の姿すらほとんど見かけることのない幌内初音町に、突如オープンした新しいパン屋さ
ん。名前も堂々と初音である。口コミなどで人気は徐々に広まり、地元でも評判が高まっている
隠れた人気店のようだ。店舗は土曜日のみの営業、平日は市役所や公的機関などでの出張
販売形態をとっているとのこと。
 この日は平日。当然営業日ではなかったが、自宅兼店舗はなかなかこだわりを感じるもの
で、人気があるのもうなづけた。






37.「初音鮨」 所在地:北海道岩見沢市

 岩見沢市の繁華街にあるお寿司屋さん。まだ新しい店舗だが、すでに50年以上続いている
お店のようである。

 


38.「かれーぐみみらくる」 所在地:北海道札幌市北区

 札幌市北区の幹線道路近くにある、北海道では貴重なGUMI物件。住宅街の中で目立たな
いが、地元ではおいしい店という人気が広まっているようだ。味はもちろん、個性的なトッピン
グなどが評判の理由か。なぜかクレープもここのウリモノである。
 なかなか斬新で目立つ外観。しかしなんとも意味不明な店名だ。GUMI物件としたが、そもそ
もこの「ぐみ」って何なんだ? 「カレー組」の意味なんだろうか。






39.「喫茶&スナック リン」 所在地:北海道札幌市北区

 新琴似にある喫茶兼スナック。そもそも喫茶店とスナックの合いの子店舗ってよくわからない
のだが、喫茶店としてもスナックとしても入りにくいんじゃないかと思ってしまうのは自分だけ
か。




40.「初音」 所在地:北海道小樽市 業種:焼肉店

 小樽駅から近い繁華街のちょっと奥、路地に隠れるように建っている初音物件。焼肉店のよ
うなのだが、看板には焼魚の文字もある。よくわからない組み合わせだが、とにかくそういうお
店ということらしい。

 


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