関東甲信越地方の初音物件(7)


61.「初音橋」 所在地:千葉県柏市

 全国に点在する初音橋という名の橋の中で、一番大きくて交通量が多いのがここ。首都圏の
幹線国道上にある。
 東京日本橋から千葉県・茨城県・福島県と太平洋側を進み、宮城県の仙台までを結ぶ国道6
号線。一方東京をぐるりと囲むように走る環状の国道16号線。この二つの主要国道は、柏市
内の呼塚交差点でクロスしている。立体交差を併せ持つ大きな交差店だ。



 呼塚交差点から国道16号を柏インター・さいたま市方面へ進むと、すぐに大堀川という川を
渡る。この時通るのが今回の初音橋である。それほど長くない橋なのだが、国道は橋前後の
区間が高架状になっていて、車を運転して通過するだけだと橋の存在にすら気が付かない人
も多いかもしれない。



 歩道上から見た初音橋。ここで立ち止まってもやはり橋の存在ははっきりしないが、歩道脇
の柵が白からピンクに変化していることで判断できる。







 反対側の歩道にある橋名板はひらがな。日本の橋名においては「はつねはし」と書く決まり
のようだが、実際には「はつねばし』と読まれるのはご存知のとおり。



 河川敷から見た初音橋。道路橋としての交通量は大きく重要な存在だが、ご覧の通り橋の
長さそのものはさほどではなく、構造物の規模としては大きなものではない。



 橋の下部についている銘板。別に橋マニアではないのだが、名前が書いてあるものは極力
記録してくる主義である。



 首都圏の大動脈となる国道だけあって、大型車がひっきりなしに通り、渋滞も酷い。午後の
比較的通行量の落ち着いている時間帯でもこの状態である。各地の初音橋はのどかな風景
に溶け込んだのんびりしたところが多いが、ここ千葉県柏市の初音橋に関しては毎日過酷な
環境で使用されているのだった。



 さて、初音橋本体はこんなところであるが、ここには付随する物件がある。それは次の説明
で。


62.「柏市篠籠田字初音」 所在地:千葉県柏市

 上で紹介した初音橋だが、この橋がある場所そのものが初音物件なのである。現在では正
式に使われることはなくなったが、以前この一帯は柏市篠籠田(しこだ)字初音という名で通用
していたのである。
 初音橋の上から東側(下流方向)を見る。右側の河川敷には大堀川防災レクリエーション公
園という広場があって、ここの住所が字初音ということになっている。



 反対側から西方向(上流側)を見る。左側が字初音だった地区。字名で通用していたというこ
とでおそらくそれほど広い範囲ではなく、向こうに見える大きなマンションなどは別な地区に建
てられたものだろう。初音と呼ばれていたと思われる一帯は畑と空き地や駐車場などで占めら
れていて、建造物は少なく見るべきものはあまりない。ただし、一つだけはっきりと初音の名を
記した物件がある。



 河川敷にある、初音樋管と記された水門。一帯の側溝などから集められた雨水を大堀川に
放流するための施設である。



 


63.「スポーツハイム初音館」 所在地:長野県上田市

 菅平高原にある宿泊施設。避暑地として知られる菅平はスポーツや合宿のメッカとして名高
く、また冬場はウインタースポーツが盛んで、一年通して訪れる人々は多い。陸上競技などの
合宿などにも多く利用されていて、特にラグビーやサッカーの合宿地として知られているそう
だ。
 この宿泊施設も「スポーツハイム」という名からわかる通り、主に合宿等団体利用に重点を置
いた宿のようである。部屋は個室中心ながら多くはアウトバス(大浴場利用)。専用グランドや専
用ゲレンデを持つという、菅平の宿ならではの特徴を持つ。一般の観光客向けとしても利用さ
れており、地元産の食材を使った料理などはとても魅力的だ。





      リンク 「スポーツハイム初音館」 ホームページ


64.「スナックMIKU」 所在地:長野県長野市

 篠ノ井駅近くにあるスナック。篠ノ井駅前にはなかなか立派な商店街があるが、そこから少し
裏手に入った「安らぎ通り」という場所に、このお店がある。途中で屈折した行き止まりの路地
にいくつかの飲み屋さんが集まっているが、こういう場所だから目的がない人は立ち入るはず
はなく、やや訪れにくい雰囲気。まあ行ってきたけどな。
 案内看板の一部は新調されていてそれなりに綺麗だが、やはり一昔前の雰囲気が漂う。よく
言えばよき時代の空気が漂い、悪く言えば場末感バリバリである。

 


 奥にある建物。こんな感じの長屋の集まりで構成されている。うーん、昭和の頃のおじさんた
ちはこういうお店に出入りして免疫ができていたのかもしれないが、慣れていない自分にはちょ
っと入る度胸などなさそうだ。どうもありがとうございました。



 肝心の「スナックMIKU」は、この長屋の左側をちょっと奥に入ったところにありました。うー
ん、なんつーかコレ、かなり不思議な感じ、全開。なんで入口部分が妙に出っ張ってて、しかも
瓦屋根なんだろう。和風なのか洋風なのか、果たして店内のセンスはいかほどなのか…ます
ますミステリアスな雰囲気。想像は無限に膨らみますな。望遠で撮ったので(&ビビッてるので)、
やや手ブレ気味です。スマソ。




65.「うぐいすの初音」 所在地:新潟県妙高市 業種:旅館

 関温泉にある、こじんまりとした宿。明治から長い歴史を持つ「初音屋旅館」が、平成19年リ
ニューアル、現代的で豊かな設備に生まれ変わった。客室はわずか4室だが、その全てに専
用半露天風呂が設備されているという豪華版。内装も和風で温かみがあり、それでいて斬新。
創作会席料理の食事も素晴らしく、贅沢な時間を楽しめる。源泉100%かけ流しの関温泉はとて
も静かで、日常を忘れてのんびりできることうけあい。自分へのご褒美にお金をかけられる人
は一度行ってみるとよろしいかと。貧乏旅専門の自分は当分無理そうですけどね。
 関温泉のある妙高市は、日本有数の豪雪地帯。1月に調査を行ったが、数日間雪が降って
いない時期だったのに、ご覧のとおりだった。自然は厳しく時に訪れるのに難儀しそうだが、そ
れに引き換えても美しい景色と空気に恵まれている。

 

      リンク 「うぐいすの初音」 ホームページ


66.「初音」 所在地:新潟県上越市 業種:日本料理

 高田駅から約300m、アーケード街の中にある、地元ではよく知られているらしいお店。媒体
によって「和風れすとらん初音」などと書かれていることもあるが、実際は天ぷらが売りの割烹
料理店という位置づけのようである。
 上越市は旧高田市と直江津市が合併して1971年に生まれた市だが、今でも高田と直江津の
二つに都市機能が分散している。交通の要衝としては直江津が主、商業の中心は高田が主と
いう傾向だろうか。高田駅は北陸新幹線開業でやや存在感が薄くなった感が否めず、路線も
JRが手を引き「越後トキめき鉄道」とかいうこっ恥ずかしい(失礼)名前になってしまったが、タワ
ーマンションが建つなど変化が激しい。ただし高田の夜は早く、22時過ぎになると駅近くの怪し
げなネオン街以外を除き、人気のない薄暗い風景となる。




67.「HATSUNEYA GARDEN」 所在地:埼玉県川越市

 過去に公開済みの割烹「初音屋」が、2013年にリニューアル。純日本風の料亭は、たたずま
いはそのままに、結婚式場とフレンチレストラン・カフェへと大きな転換をした。明治元年創業
の老舗、一番大切にして極めてきた和食を捨ててしまうのは大変惜しい気がするのだが、現代
のニーズに対応してこの先も残していくには、決断も必要だったのかもしれない。和風テイスト
を引き継いだフレンチはかなり評価も高く、初音屋の「21世紀改革』は成功だったようだ。
 なお、ここの関連物件を次で紹介しておきます。






      リンク 「HATSUNEYA GARDEN」 ホームページ


68.「初音屋」 所在地:埼玉県川越市 業種:日本料理

 上記「HATSUNEYA GARDEN」のオープンに伴い、新たに開店した日本料理店。明治元年か
ら続いた割烹料亭の血筋を守るお店である。旧店舗でもある「HATSUNEYA GARDEN」につい
ては、別会社が建物を借り受けて営業している模様。土地と建物はフレンチレストランが引き
継いだが、料亭で培った味と伝統を提供し続けるためこちらのお店が生まれることになったよ
うだ。お店はビル2階のこじんまりとしたスペースとなり、スタイルも音楽や雰囲気に浸りながら
お酒と和食を楽しめるカジュアルなものに変化したが、六代目の店主が今もなお歴史を守る川
越に欠かせないお店である。

 

      リンク 「初音屋」 ホームページ


69.「お茶漬処はつね」 所在地:埼玉県川越市

 住宅街の中にさりげなくある、小料理屋のような外観のお店。お茶漬け専門店を謳うが、飲
み屋で閉めに食べるのが麺類かお茶漬けだろう。よって、たぶんほかの料理もやってる(は
ず)。
 川越といえば上の二つの初音が強すぎて、ここは検索してもほとんど情報がない。言い換え
れば、小都市ひとつにこれだけ初音物件が集中していることがすごいのである。




70.「居酒屋りんちゃんのお店」 所在地:埼玉県川越市

 ストレートすぎる物件だなあ。VOCALOID物件としては充分だが、あとはカタカナで「リンちゃ
ん」だったら満点かな。まあ鏡音リンに当てはめる場合、中学生のリンちゃんは居酒屋には無
縁でしょというツッコミくらいだな、これは。

 


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